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子育てのメンタリティ

2000.12.25 更新


 意味不明なタイトルですが、要するに子育てや躾けはとってもメンタルな部分が大きいってことが言いたいのです。でもまあそんな結論はとりあえずおいといて、我が家で経験した、3つの印象的だったシーンを順次ご紹介して、無理矢理考察などしてみました。

その1:おむつはずし 2000.7.24

 上の娘(現在4歳半)のおむつはずし(最近は「おむつはずれ」とも言うらしい。)、これは本当に苦労しました。通常、2歳半ぐらいの夏場あたりがやりやすいらしいのですが、ちょうどその頃、妻が下の子を出産間際であり、彼女(娘)も精神的に不安定な時期だと思ったため、誘いかけはしていたのですが、一旦中止してました。そして下の子が生まれ、そろそろ落ち着いた頃だろうと再開してみたものの、これが遅々として進まないのです。もう十分おしっこの間隔は空いているはずなのに、とにかく間違ってでも1度としてトイレでできたことはありませんでした。どうしてだろうと様子を観察し、考えてみると、どうやら彼女は自分の意志でおしっこを止めているようなのです。下手をすると朝起きてパンツに換えてから、夜再びおむつをはくまで一度も排泄しないということもあったのです。これは恐ろしいことです。彼女はトイレでするより排泄を我慢することを選択していたのです。我々親の「トイレでしよう!」という呼びかけが精神的重圧となっていたのは確実です。また、「おしっこ!」と言うのでトイレに連れていくのですが、結局出ずに、おむつをはかせると途端にしたりすることもよくありました。これには妻がよく切れそうになっていました。「だったらなんでトイレでやらないの!」と言いたい訳なのですが、これも我々の期待に形だけでも応えようとしていたのではないかと今では推測できます。いずれにせよ当時我々は本当に悩んでいました。途中何度もおむつに戻したりしながらも断続的に続けていたのですが、妻などは相当精神的に疲弊していました。彼女はとうに3歳半をこえ、春からは幼稚園に行かなくてはなりません。4歳にもなっておむつをはいているなんて・・・。このあせりがますます彼女を追い込んでいきます。一般的に期待をしちゃいけないと言われているので、妻にもそのように諭し、自分自身もそう思おうとするのですが、どうしても心の片隅で期待をしている自分を見つけて愕然としたこともありました。本気で専門家のカウンセリングを受けようか(親がです)とも思いました。

 しかし、きっかけは思わぬところから現れました。幼稚園選びのごたごたが終わり、彼女の行く幼稚園が決定したのが4歳をあと2ヶ月後に控えた秋のことでした。さんざん悩んだ末、徒歩2分の近所の幼稚園ではなく、徒歩15分以上かかる別の園に決めたのです。説明会や先生方の話し等から、その幼稚園なら万が一おむつがはずれてなくても受入れてくれそうだと感じたのです。そしてその幼稚園へ入園できることが決まり、我々がほっとしたのとほぼ同時に、彼女はあっという間に、本当に1日で、完璧にできるようになってしまったのです。我々が心から「はずれなくってもいいや」と思えて初めて彼女は重圧から解放され、やってみようという勇気が生まれたのではないでしょうか。こうしてあっけなく、おむつはずしの長い苦悩の日々は終わりを迎えたのでした。

 私は今回の経験で、排泄ってのは、とってもメンタルで高等な行為なのだなあと思いました。考えても見て下さい。我々だって場所が変わったり、人に見られていたりしたら緊張して出にくくなったりするでしょう。彼女もおむつという慣れ親しんだ場所からトイレにするというやり方に変更するのは容易なことではなかったのです。しかも親からの期待をびんびんに感じながらですからなおのことです。しかし親として難しいのは、おむつはずしは放っとけば自然とできるものではなく、やはりこちらからの働きかけがなければ進まないというところなのです。ですからその頃合いが大変難しい。期待しすぎてもだめだけれど、働きかけをしないといつまでたってもおむつのまま。この案配をどううまくコントロールするか。そして子供の勇気を引きだしていくか。それがとても難しいと思います。恐らく正解なんて無いんでしょうね。個人差もものすごくあるようだし。

最後に、お子さんが3歳過ぎてまだおむつがはずれてないとお悩みの親御さんへ、

気持ちはと〜ってもわかりますが、大丈夫です!、ウチの子なんて4歳間際までだたの1度たりともできたことが無かったのに、たった1日でできるようになっちゃいましたから。だから悩みすぎないように!気楽に行きましょう。それができたら苦労はないって!?そうですね・・・。

長くなったので、2つめ以降はまた今度。

 あとがき:2000.12.25 追加

 実はこれを書いた当時、まだウンチのおむつは取れてませんでした。おしっこはできるようになったものの、ウンチはその後もずっとおむつをはいてしていたのです。これも時がたてば解決するだろうなとは思いつつも、あまりにもとれる気配がないので、「もしや学校に入ってもできなかったりして!」などという不安が何度も頭をよぎりました。さすがに恥ずかしくてこれについては書けなかったのですが、5歳の誕生日を前にした先日、ようやくトイレでウンチをすることができたのです。おしっこのおむつがとれてから1年が経過していました。恐らく彼女は誕生日を控え、1歳お姉さんになる前にトイレでできるようになろうと彼女なりに勇気を出したのだろうと思います。これでようやく上の娘のおむつはずしは本当に終了したのです。ですからおしっこはとれてもウンチはなかなかとれないという方も、やっぱり大丈夫ですよ!ウチよりは多分ましでしょうから・・・。

 さて、そうこうするうちに今度は下の男の子のおむつはずしをそろそろ始める頃となりましたが、これがまた一筋縄ではいきそうもない・・・。気長に行きます。ハイ。


その2:ちちばなれ 2000.12.25

 2つめは下の男の子の話です。彼は男の子でかつ下の子ということもあってかなりの甘えん坊で、特におっぱいには相当の執着がありました。一時期かなり飲む間隔があいていたこともあったのですが、ある日ちょっとした病気をしたことがきっかけで一段と執着を強めてしまい、彼の精神の安定のためにはおっぱいは欠かせないという状態になっていました。昼間も機嫌が悪くなるとおっぱいを飲まないと収まらなかったですし、特に夜がひどく、1歳もすぎたというのに1晩中おっぱいをくわえて断続的に飲んでいたのです。確かに欲しいだけあげればよいということも分からなくもなかったのですが、さすがに妻の体力と気力に限界がきていたこともあり、一念発起して断乳を決行することになりました。彼が1歳半を過ぎた頃の昨年冬でした。ちょうど1週間だけ私の仕事の時間が何とか融通のきく時があったので、そこしかないという感じで実行されました。息子を良く知っている近所の妻の友人達は「あれだけ飲んでいるんじゃ、3歳くらいまで飲んでいるだろう。」と言ってまだ無理だと誰もが思っていたようです。ところが、いざやってみると意外にもあっさり断乳できてしまいました。1週間で完全に終わらせることが出来てしまったのです。

 周りの友人達は皆一様に驚きました。私自身もよくできたもんだと思います。振り返って考えてみると、ある程度の時期がくれば親が決断した時期に断乳はできるものなのでしょう。親がまだできないと思っているうちはできないし、逆に一度覚悟を決めると子供にも伝わって意外と抵抗なくできてしまうのではないでしょうか。おそらく彼も親側が本気だということを感じ取ったんだと思います。小さい子供は言語が発達していない分、感覚が我々より鋭いので、親の腹のくくり方が手に取るように感じ取れるのでしょう。この事を通じて、親が子供に、ある意志を伝えようとするとき、局面においてはこのような覚悟というか腹をくくるということをしなければならないのだなと感じたのです。

 この時期に断乳したことが本当によかったかどうかわわかりません。断乳後、彼は精神を安定させるものを失ったためか、機嫌を直すことがかなり困難になりました。未だに夜中に何度も起きて泣いていますし、手のかかる状態はたいして変わっていません。もしかしたらかわいそうなことをしたのかもと思わなくもないですが、一晩中おっぱいをくわえていたことからか、この年で虫歯になってしまい、歯医者通いをする羽目にもなっているのです。ですからとりあえずよしということにしておきましょう。


その3:親子のきずな 2000.12.25

 この話は私にとってかなり印象深いエピソードです。

 下の子が生まれて以来、私は主に上の娘のケアを大事に考えていました。2歳半で下の子が生まれ、お母さんは下の子にかかりっきりになるため、彼女のケアは私がちゃとしなければと思っていたのです。ですから自然と上の娘と接する時間が多くなっていました。下の子とも決して接してないことはなかったですし、彼と機嫌よく遊んだりもしてましたが、私がソファに座っているとき、私の膝の間に入ってくるのは専ら娘のほうであり、彼は行きたそうにはするのですが、お姉さんが先にいってしまうのでそこには行けないという感じになり、彼と私との間には今一つ距離感ができていたのです。

 そんなある日、食事をしている時のことです。彼はテーブル付きの椅子に座り食事をしていたのですが、何故か足をばたばたさせて大きな音をたて始めました。そこで一番近くにすわっていた私が彼の足首を掴んで、「うるさいからやめてね」と彼を諭したのです。当然彼はまた足をばたつかせようとするのですが、私は彼の足首を放さず、彼の目をじっと見ると落ち着いた口調で、しかし妥協を許さない決意を持って「うるさいからやめてね。お願いね。」と重ねて言いました。何度かそれを繰り返しているうちに、彼が驚いたように私の目をじっと見つめ続けていることに気がつきました。その頃には足をばたつかせることもなくなったので私は手を放したのですが、まだ彼は私の顔をじっと見つめたままです。心なしか瞳がうるんでいます。私の方が気恥ずかしくなってしまい視線をはずすのですが、彼は視線をはずしません。5分以上は優にあったと思います。彼は黙ったまま私をじっと見続けていました。こんなことは初めてだったので大変戸惑ったことを覚えています。

 そして不思議なことにその日以来、私に対する彼の態度ががらっと変わりました。素直に私に甘えてくるようになったのです。娘が私の隣に座っていても割り込むようにして間に入ってくるようになりました。自分も相手にして欲しいと要求するようになりました。私はようやく彼としっかりとしたコミュニケーションが取れるようになったのです。

 今思うと、あの出来事でやっと私の気持ちが彼に伝わったのでしょう。本気で考えてくれる人だと認識したのだと思います。気持ちをしっかりと伝えるということの大切さをとても感じました。今では朝起きると(私が一番遅い)真っ先に私の胸の中に飛び込んでくるのは彼ですし、仕事から返ってきても一番先に私のところに走って来てくれます。早く彼と会話ができるようになりたいですね。(よくしゃべる子なのですが、なにせまだ意味不明なもので・・・)


 子育てを通じて感じたことを3つほどエピソードを交えて書きました。まあ別に考察したり結論を出したりすることは大して重要なことではありません。ただ、子育てではメンタルな部分が非常に大きく、しかもかなり微妙な点がポイントとなってくるのだなあとは感じています。そして子育てしていく中で子供たちに気持ちを伝えていくことはとっても大事なことだとも感じます。子供たちは親の気持ちに敏感です。彼ら彼女らが健やかに育ってくれるように親がしっかりとした気持ちを持たなければいけないのだなあと思います。そしてごまかしは決して効かないので、まっすぐに彼ら彼女らに向き合っていかなくてはと思うのです。

 まだまだ楽しくも悩み多き子育ては現在進行形です。


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