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50本のカセットテープ
〜これも私の趣味でした!〜

我が家の収納棚の片隅に小さな菓子箱があります。この箱の中身は妻の嫁入り道具のようなものなのですが、私にとっても我が子が帰ってきたような深い思いが込められたものなのです。そう、それは私の趣味であり、妻と付き合っていた頃にあげたオリジナルテープの数々、本数にして何と約50本!まあ私と妻とのつきあいは大学1年の頃からですのでもうかれこれ12年、結婚までも7年程ありましたからいつのまにかそんな数になっていたのです。基本的に私は季節が変わるたびにその雰囲気・気分に合わせたテープを作るので1年のうち、春先初夏(5月、私と妻の誕生月)、クリスマスと計5本は最低でも作りました。その他冬バージョンを別に作ったり、夏の終わりに作ってみたり、あるいは特定のアーティストのベストセレクションを作ったりしたので50本あまりに達したのでした。

カセットテープは60分テープが基本で、片面6〜7曲、計12〜14曲で1本をまとめます。たまに例外的に60分より長いテープを使いますが、やはり片面30分・6曲程度が飽きずに聴ける限度のような気がします。そんな意味でCDというメディアは収録可能な時間が長く、しかも裏表なく一気に聴けてしまうのでかえって1枚のアルバムとしてまとまりのある、文句のつけられない名アルバムができずらくなってしまったような気がします。私自身の感想ではCDとして出たアルバムで、最初から最後まで集中してその世界に埋没でき”これは後世に残る名アルバムだ!”と言えるような作品は未だに現れていないと思っています。

さて話が若干わき道にそれてしまいましたが、私がオリジナルテープを製作するうえで留意していたことは、まず1本のうち同じアーティストの曲は可能なかぎり1曲だけにするということがあります。これは複数曲、特に3曲以上入れるとそのアーティスト色が強くなりすぎて全体としての統一感を損ねる恐れがあるからです。また、これは妻(その当時は彼女)にあげるものについての留意事項なのですが、適度にメリハリをつけるということです。一度バラード系の曲を集めて作ったら必ず最後にたどり着く前に眠ってしまい、本当に聴いて欲しい曲を聴いてもらえなかったということがあったからです。ですから片面6曲のうち最低でも2曲、全体としても5曲程度はアップテンポの曲を入れるようにしました。あるいはアップテンポ3〜4曲にミディアムテンポ2曲として、静かな曲やバラードはポイントを押えて使うようにしました。

そんな私のコレクションの中で、特に力を入れて作ったのが結婚式の2次会のBGMとして作った1本のテープでした。(この時はその他に開始前の待合時間用と終了後の退場時間用インストゥルメンタルの曲で作ったテープなど合計3本作りました。)このテープはいつものものとは用途が違うので90分テープを使い、今まで使った曲もフルに使ってBGMとして気持ちのいいものを作ろうと、構想・選曲に数ヶ月を費やしました。私の集大成とも言えるテープの中身はこんな感じでした。

  歓談Time 前半    歓談Time 後半
Can't fight this feeling/REOスピードワゴン How 'bout us/シャンペーン
Faithfully/ジャーニー Midnight angel/ジェラルド・アルストン
I'll be over you/トト Always/アトランティック・スター
The shape I'm in/ボビー・コールドウェル Cry baby blues/AB's
Stay with me/ピーター・セテラ Drive/カーズ
Heart of mine/ボズ・スキャッグス More than words/エクストリーム
Tonight tonight/ビル・チャンプリン 午前0時のMerry-go-round/ZIGGY
Sweet baby/クラーク・デューク・プロジェクト Because of love/崎谷健次郎
Your song/エルトン・ジョン A groovry kind of love/フィル・コリンズ
10 Save the best for last/ヴァネッサ・ウィリアムス 10 That's what friends are for/ディオンヌ・アンド・フレンズ

全体の構成としては、A面は夜もまだ早いころなので割とテンポ感のある曲から始め、だんだんと落ち着いた曲調にしていきました。そしてB面はひととおりゲーム・クイズ等も終わり夜も更けてきたころなのでブラック調の落ち着いた曲から始め、徐々にクライマックスに向けて盛り上げる曲にするといったものでした。ただ通常であれば各面の最後の曲は1番気に入っている曲にする傾向があるのですが、このテープは時間がはっきり読めない歓談時間のためのものなので、フェイドアウトの可能性を考えて最後の方は少し余裕を持たせており、特にA面の最後はかかってもかからなくてもいいと思って入れました。ですからこのテープでは最後から2,3曲前あたりが私の一番のお気に入りであるということです。B面はできれば最後まで聞かせたかったですけど。

これを見ると私の音楽の趣味が大分わかっていただけるのではないでしょうか。何曲かはあまりなじみのないものもあると思うので、若干解説します。A−7は「シャイン・オン」などのヒットのあるジョージ・デュークとジャズ・フュージョン界で有名なベーシスト、スタンリー・クラークのユニット・プロジェクトで、80年代にヒットしました。他の曲はちょっとマニアックでついていけませんでしたが、この曲だけは非常にポップでメロウなすてきな曲でした。
それからB−2は元マンハッタンズのリードヴォーカルであったようです。この曲はたまたま今は亡き池袋のWAVE(懐かしい!)の店内でかかっていたのを聴いて、どうしても欲しくなって買ったものです。多分輸入版のみでしょう。このアルバムもこの曲がベストでした。
B−4はどなたかご存知の方はいらっしゃるでしょうか?アルバム3枚だけしか出していないのですが(しかもLP)かなり渋いメンバー(芳野藤丸などが参加。)のすべてが血液型がAB型だという理由からこのグループ名がついたそうです。非常に洗練されたかっこいいサウンドでした。CD化されないかとずっと待ち続けているのですが、ちなみにこの曲について「ウェストコーストサウンドをロンドンで録音してみるとどうなるかと思ってやってみたけど、やっぱりギターの音は湿っていたね。」なんていう逸話があり、そう思って聴くとそんな気がしてくるから不思議です。
B−8は私の中ではかなり好きな曲のひとつで、特に寒い冬の夜には最高の1曲だと思っています。かなり以前、オービックのCMで流れていましたが知っている人はどれくらいいるのでしょう。カラオケで歌いたくてもあった試しがありません。いい曲なのに......。最後のB−10ディオンヌ・ワーウィック、スティービー・ワンダー、エルトン・ジョン、グラディス・ナイトといったそうそうたるメンバーがエイズ基金のために作ったチャリティーソングです。とてもいい曲で、会場に来てくれたすべての方に対する感謝のメッセージのつもりで入れました。

長々と書いてまいりました。こんな感じでマニアックにオリジナルテープを作る私はやっぱりオタクっぽいんでしょうか?でも子供が生まれてからというものの、ステレオはいたずらされるので封印され、しかも聴く曲は子供向けのものばかり(口をついて出てくるのも子供の曲なので、自分でもがく然としてしまう!)なのでいまやすっかり風化してしまっています。最近は自分の好きな曲を聴けるのは一人で車を運転するときだけといった状態です。トホホ...。ゆったり音楽に浸れる日々は果たして帰ってくるのでしょうか?


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