健康保険法の改正について
2000.12.25
先月末に国会で健康保険法等の医療保険制度関連法案が成立しました。大部分は年明けの1月から施行となります。この改正により何がどう変わるのかについて、特に企業の社会保険事務に関係する部分を中心にポイントをおしらせいたします。
1.介護保険料の引き上げ
従来は法律で上限が定められていたため、介護保険料は本来徴収すべき保険料(0.95%)より低い金額に抑えられていました。今回の改正で、介護保険料については法律上の上限の枠外に置かれることになり、政府管掌健康保険の場合、1月分より介護保険料率が従来の0.6%から1.08%にアップすることになります。今年取りはぐれた介護保険料分を含んでいるためこのようなアップ率になっているようです。実際には健康保険料と一緒に徴収されることになり、介護保険対象者(第2号被保険者)の健康保険料とあわせた保険料率は95.8/1000(9.58%)となります。新しい保険料による従業員さんからの保険料控除は2月支払の給与からとなります。
2.標準報酬等級の下限の見直し
すでに厚生年金では10月より標準報酬等級の最下限が9万8千円に上がりましたが、健康保険も同様になります。健康保険法の改正がずれこんでいいたために施行時期に差が出たものです。1月からは健康保険、厚生年金とも最下限の標準報酬等級は9万8千円に統一されます。
※以上2点の改正に伴う、新しい保険料額表は来月以降に発表される予定です。保険料納入告知書に同封されると思われますので、来月以降注意してご覧になって下さい。
3.育児休業中の保険料免除
これもすでに厚生年金では実施されているものです。従来育児休業中に免除される保険料は被保険者負担のみでしたが、1月からは健康保険についても事業主負担分も免除されることになりました。ただし、被保険者負担分と同様に、免除を受けるためには申請が必要となります。
次に、給付についての主な改正点は以下の通りです
4.70歳以上の患者負担が定率制に
現行では、70歳以上の高齢者の自己負担は定額制でしたが、今回の改正により、原則1割負担という定率制になります。ただし、受診する医療機関の規模により、月額の上限が定められています。
規模 |
上限額 |
大病院(200床以上) |
5000円 |
中病院(200床未満) |
3000円 |
診療所(20床未満) |
3000円 又は |
5.高額療養費に該当する自己負担上限の引き上げ
従来は医療費の自己負担額は月額6万3600円が上限で、それ以上の負担の場合には高額療養費として償還払いができましたが、この自己負担の上限額が特に高所得者層について引き上げられます。具体的に言うと標準報酬月額56万円以上の被保険者の場合、自己負担の上限は12万1800円となります。またそれ以外にもかかった医療費の額が31万8000円(高所得者層は60万9000円)を超えた部分の1%が自己負担額として上乗せされます。
その他、傷病手当金と老齢年金との併給調整や、算定基礎届の時期の変更などもありますが、施行時期が先ですので、これについてはまた後日お知らせいたします。