平成12年度補正予算による新たな助成金について
2000.12.25
去る11月22日に平成12年度補正予算が成立したことを受け、労働省は今月から実施する新たな2つの助成金を発表しました。いずれも高齢者対策の助成金です。現段階では不明な点も多々ありますが、現在までで判明している部分についてお伝えしたいと思います。
中高年齢者緊急就業開発奨励金
以前より一部新聞報道されていましたが、中高年齢者を試行雇用した場合に支給される助成金です。数年前から日経連が労働省から委託されて障害者の試し雇用を推進するプロジェクトを行ってますが、それにちょっと似ているような気がします。
内容を簡単にご紹介すると、
というものです。
手続的にはまず職安に試行就業の求人申込をし、試行雇入れ後2週間以内に試行期間中に講ずる措置についての計画書を、試行就業終了後2週間以内にその報告書を職安に提出することになります。そして試行就業期間終了後2ヶ月以内に各都道府県の高年齢者雇用開発協会に支給申請をするという流れになるようです。予算額は約170億円ということです。
留意事項としては、試行雇い入れをする中高年齢者については期間中、雇用契約を結んだ上で雇用保険に加入させることが求められます。そして終了後は常用雇用へ移行するように努力をすることとされています。
事業主のメリットとしては面接だけでは適性が分からない場合にとりあえず試しに働いてもらって、3ヶ月たった時点であらためて雇用するかどうかを判断できるという点があります。しかも助成金が支給されるためその間のコストを抑えることもできます。更にその後常用雇用に移行した場合には特定求職者雇用開発助成金の受給可能性があります。ただ助成額に比べて計画や報告など手続の手間が意外とかかるのではという懸念はあります。またパンフにあるのですが、試行労働者の責めに帰する理由がなく、しかも本人が雇用を希望しているにもかかわらず常用雇用に移行しなかった場合には、その後の新たな試行就業の受入れや求人の受理は行わないとなっており、この点も少々気になるところです。ただ、高齢者を雇いたい、雇ってみたいと思う企業にとっては検討してみてもいいのではないかと思います。
高年齢者職場バリアフリー助成金
これは高年齢者に配慮した職場のバリアフリー化に取り組む事業主に対して、要した費用をモデル的に助成するものです。
助成を受けるための主な条件は以下の通りです。
助成金の支給額は要した費用の2/3(中小企業3/4)で上限額は3000万円となります。予算額は約33億円です。
手続の流れを簡単に説明すると、
となっています。募集期間は平成12年12月1日〜平成13年3月9日までで、この間に上記の計画書を提出しなければなりません。そしてトータル・プラン及び改善計画の認定を受けた日の翌日から平成13年3月31日までの間に、高年齢者に配慮した職場のバリアフリー化のために必要な環境の改善を行う必要があります。
この助成金は助成率と助成額が大きいので利用できる企業にとってはかなりメリットがあると思います。ただ、とりあえず今年度予算内ということもあって受付期間や改善実施の期間が大変短いことや、手続、特に事前計画がかなり煩雑そうであること、また予算額やモデル的に支給されるという点から考えても、受給件数はモデルとしてふさわしい企業に絞られてくるものと思われます。ですからあまり安易にもらえると考えない方がいいでしょう。いずれにしろしっかりとした計画を立て、腰を据えて職場のバリアフリー化に取り組める企業でないと、受給は難しいのではと思います。