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営業が苦手でも仕事を取る方法

99.9.15


 最近よく「開業を考えているのですが、顧客開拓はどのようにするのですか?」という類いの質問を受けます。試験に受かった方はその次の段階として「開業」について考えるのは自然な流れだと思います。しかしそう考えたときに同時に「でも果たして仕事が取れるのだろうか?どうやって顧客を獲得すればよいのだろうか?」と不安になることもまたごく自然なことだと思います。試験に合格して開業を考える人が最も不安に思い、また最も関心のある事項のひとつと言えるでしょう。

 これから私の書くことが、その不安に対する唯一絶対の答えだとは決して申しません。またすでにある程度以上の仕事を獲得されている方にとっては当然のようにやっていらっしゃることかもしれません。ですからまだ社労士の仕事をしたことが無い方に向けて、ひとつの考え方として参考にしていただければと思っています。特に営業が苦手だけど・・・と開業を迷っている方には是非読んでいただきたいです。


 一般的に、新規開業者に対しアドバイスされる諸先輩の中には「これからの社労士は営業力が勝負だ」などと言ったり、更には「営業力がなければダメ」とまで言う方がいらっしゃいます。しかもそういう方に限って断定的に言い切っています。しかし果たして本当にそうなのでしょうか?
 確かに、ある意味ではその通りなのかもしれませんし、大きくビジネスを成功させていくためには必要なのかもしれません。しかし誰もが大きなビジネスを狙っている訳でもないし、誰しも強力な営業力を持てるとも思いません。まして営業力がなければダメなどと一刀両断することには反発すら感じます。
 はっきり言って私は営業は苦手な方です。しかしそれでも現在はそれなりに仕事をいただき、自分なりに忙しく動いています。今でも大した営業力があるとは思っていませんが、間違っても自分が社労士としてダメだとは思っていませんし(別に素晴らしいとも思っていませんが)、そう言われる筋合いもないと思っています。
 今回私が言いたいのは、営業力がないから、あるいは苦手だからと言って、決して社労士としてやっていかれない訳ではないということなのです。営業が苦手と思う方でも仕事を取るやり方はあると言いたいのです。では、その方法とはどんなものなのか。それについて次に書いていきたいと思います。営業の得意な方には「なにを今更」という内容ですので読むまでもありません。それ以外の開業に向けて不安を覚えている開業予備軍の方々に向けてお話をしたいと思います。

営業の3タイプ

 私が考えるに営業の仕方・スタイルには3タイプあるように思います。次に挙げる3分類は、私が勝手に定義づけたものですが、結構いい分類だと思っています。少々独断と偏見があるかもしれませんが、読み物として読んで下さい。

1.狩猟型
 この営業方法はいわゆる営業が得意と言われている方のスタイルです。このタイプの方も次のを併用することはありますが、このができるかどうかで一般的には営業ができる・できないが区分けされるような気がします。このタイプの人は自分から客先にでかけ、自ら仕掛けていくことができます。飛び込みができるのもこのタイプの方でしょう。この方々は弁舌さわやかに事業主をその気にさせることができます。決して口先だけという訳ではなく、データや資料などのツールを駆使して説得力あるプレゼンができます。これらの手法は、トレーニングによってある程度鍛えることはできるでしょうが、かなりその人の持って生まれたパーソナリティーに拠るところが大きいのではないかと思います。ですから営業の苦手な方が無理にこれをやろうとしてもストレスがたまるだけでなかなか成果はあがらないのではないでしょうか。

2.農耕型
 この方法は簡単に言うと、人脈を広げてそこから仕事を広げていくというやり方です。1.に対して、効果がでるまではある程度の時間はかかるものの、この方法は極端に言うと誰でもできるものですし、また後になってかなり効いてくる方法です。ただ人に会って話をしなければいけないので、人嫌いの方には無理がありますが、社労士は人相手の仕事ですので、これくらいは何とかやっていただきたいと思います。このスタイルのポイントはとにかくできる限り多くの人に自分を知ってもらうことです。できるだけ多くの人に会って、自分はこういう仕事をしている、これが得意だ、こういう仕事がしたいと思っている、など、とにかく自分をPRすることです。このときに注意することは「仕事下さい」とあまり露骨に言わない(又は表情に出さない)ことです。言うとしても「何かあったらよろしく」程度にしておくことです。仕事欲しさを全面に出さず、ぐっとこらえて相手が困ったらいつでもお手伝いしますというスタンスでいることです。そうすれば相手も負担にならず「何かあったら紹介してやろう」と思うものです。(本当かな?)常に自分本位でなく相手本意でいること。そして最初はひたすら情報の提供等自分のできる範囲でGiveし続けることです。運良く仕事を紹介してもらえたらそれを誠実にこなして下さい。また知りあった方々への挨拶状なども折々に出す等、自分が相手のことを常に考えていることを伝え続けることも大切です。こういう細かいことの積み重ねでいつの間にか色々な方面から仕事の相談や依頼が来るようになります。これなら皆さんにもきっとできるはずです。

3.漁業型
 最後にこのタイプですが、これは少々、知恵と工夫が必要です。イメージしやすいのは広告や雑誌、インターネット等に何らかの情報を載せ、それに反応してきた方を見込み客として仕事につなげようとするやり方でしょうか。(DM等もここに入ることになるのでしょう。私はやってませんが。)この方法は漫然と情報を載せてもあまり効果はありません。初めから効果を意図的に狙って仕掛けを仕込んでおくことが重要です。ターゲットを絞ってそのターゲットに合わせた情報の見せ方をする、他にない切り口で他の情報より目立たせる、これが基本的な考え方です。いかにその情報を見た方に「オヤッ」と思わせるか、問合せがしたくなるような気持ちにさせるかが勝負です。例えば、情報を載せる媒体を選んで、その読者層に合わせて情報を加工したり、キャッチコピーを工夫して他の同じような情報と差別化するのです。またマスコミやインターネットを効果的に利用することも大切です。私もアントレやSOHOコンピューティング等の雑誌や、自分のホームページその他のインターネット媒体に情報を載せることにより、いくつも仕事をいただきました。また、私の知っている方で、キャッチコピーの工夫によって、普通仕事が取れるとは思われない電話帳広告から仕事を何件も取られた方もいます。これらの工夫は、営業が苦手という方でもできることです。またこの方法のいいところは、自分の得意なフィールドに顧客の方から興味を持ってやって来てくれるということです。飛び込みのように必ずしも関心があるとは限らないところから仕事を取るより(それを取るのが営業の醍醐味と言われるとそれまでですし、またターゲットを絞ってすることもあるとは思いますが。)はるかに成功率は高くなります。基本的には「待ち」なのですが、戦略に工夫をこらすことによりかなりの効果が期待できるのです。

 私は基本的にを併用しています。威張れることではありませんが、飛び込みなど一切やったことがありません。しかし有り難いことに今では色々な方から声をかけていただけるようになりました。開業から4年、一番大事なのはやはり人との関係だと痛感しています。ひとりひとりとの出会いを大切にし、ひとつひとつの仕事を誠実にこなす。地味なようですが、これらの積み重ねにより、充分社労士として信頼を得てやっていけると思います。ですから営業が苦手だからといって決して開業にしり込みする必要はありません。本当にこの仕事がしたければ勇気を持って飛び込んで下さい。ただし、私の言ったこの方法で大儲けできる保証はどこにもありません。儲けたいと思う人は営業のできる人にアドバイスを受けましょう!


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